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小説

乾くるみ『イニシエーション・ラブ』を読み終えた感想-ネタバレ有り-

こんにちはDeliaです。

今回は今まで読んだミステリとはちょっと趣向の違う一冊を読了しました。
かなり大ヒットした有名な作品ですよね。

この「イニシエーション・ラブ」を読もうと思ったきっかけは、
推理小説のおすすめランキングのネット記事を見て気になったからです。

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」

映像化もされているヒット作品!
ミステリの最高傑作みたいな形でよく紹介されていますよね。

なぜか私は映画版も観たこともなく、
最近まではこういった小説も読むことがほとんどなかったので、
もちろん知識ゼロで初読になります。

あらすじ

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、時にほろ苦い青春のひと時を描いた小説。と思いきや、最後から二行目で本書は全く違った物語に豹変する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。


イニシエーション・ラブ

これは…あらすじだけでかなり煽られますね!
私、とても気になります!

読み終えた感想

結論から言うと、読み終えた瞬間の私の正直な感想は、

「え?終わり…?落ち弱いなぁ。」 でした。

しかし、数秒考えてもう一度最後のシーンを読み返すと

「うわっ!はいはい!これは悪いなぁほんと笑」 に変わりました。

sideA と sideB

内容は、大きく分けて二部構成。

物語は、主人公の「鈴木」とヒロインの「繭子」を中心に進行します。
前半は合コンで運命的な出会いをした二人が次第に愛を育んでいくどこか甘酸っぱい恋物語。

sideAでは
合コンで運命的な出会いをした二人が次第に愛を育んでいく
どこか甘酸っぱいような青春物語。といった印象でした。

sideBでは
社会人になり、東京転勤を機に遠距離恋愛となった主人公の前に別の女性が現れ、
次第に自分の気持ち考えさせられる。やがて決断を下す。といった印象でした。

が、しかし!?

実はこのsideAとsideBは重要な意味を持っていました。

人物すりかえトリック?

結論、
sideAに登場した主人公「鈴木」と
sideBに倒叙した主人公「鈴木」は   別人でした

というオチがあらすじにもある最後の二行で読者に提示されます。

作者は叙述トリックを用いて、
sideBに登場する社会人「鈴木」をsideAに登場する大学生「鈴木」と
誤認させ、あたかも普通の男女の恋愛物のように装い、最後に落とす!
という感じのトリックですね。

正直なところ、終盤ではちょっと不可解なシーンや無理のある言い回しのような
描写も増えてきて、最後のオチに向けて読者のモヤモヤは加速します。

とはいえ、
物語は全て主人公の一人称で語られていて、
生々しい性描写もあるので「鈴木くん」に感情移入していたので、
最後の方はこれがミステリだということを忘れていましたね笑。

ヒロイン

ヒロインの繭子は所々怪しい面を匂わせていて、
なんか裏がありそうな女だ…と感じていました。
そう思った方は多いんじゃないかな?と思います。

  • 入院していた理由が便秘だったり
  • 自分へのご褒美で買ったというルビーの指輪だったり


実は繭子は別々の鈴木と二股していました!
というのがオチになるんですけど、
お話は主人公の一人称で語られるので繭子はとにかく純粋で良い子に補正されています。
それ故に真相を知ると繭子にイラッときてしまいますよね。笑

個人的にはsideBで登場する石丸さん、すごく好きです。

時系列のトリック

物語の最終局面にて、
前半と後半の語り手である鈴木(主人公)は別人
であると明かされました。

そして、
作品の最も面白かったと思うところは、
sideAとsideBが実は同時進行だったということ

ヒロイン繭子による二股という犯行のトリックでした。

私はこの本を読んでいて
新海誠監督の映画『君の名は。』を思い出しました。
時系列を利用した叙述トリックが魅力的でした。

みんな大好き時間ずらし!
物語のメインとなるトリックにプラスして時系列のトリックを織り交ぜると
とってもミステリーですよね!

私も大好物です。

おすすめの一冊

こちらも結論からいうと
オススメです。読んでよかった。

コテコテの推理小説好きだけでなく、ライトな読者でもかなり読みやすい文章です。
私は一日で読み終えました。

こういうテイストの作品があるんだなぁと、
私のミステリライフに刺激を与えてくれました。(浅い歴史ですが)

というか、この手のトリックをどうやって映像で表現するだろ?
と思いつつ映画版の方も気になってきている次第です。